金閣寺大書院の障壁画

世界遺産に認定されている金閣寺(鹿苑寺)。三島由紀夫の「金閣寺」をお読みになられた方も多いと思います。よく写真で「金閣寺」として映される建造物は、金閣寺舎利殿です。消失後再建され現在の姿になりました。金閣寺には江戸時代に建造された大書院があります。その障壁画を伊藤若冲が水墨画で描いています。2016年に若冲生誕300年記念として東京都美術館で展示されました。若冲は「動植綵絵」など、鮮やかな色彩を得意とする江戸時代の画家ですが、鹿苑寺大書院の障壁画は水墨画です。5つの部屋をひとつの作品として見ても見れるように、またひとつひとつの部屋が単独で成立する作品として描かれています。この襖絵は管理上の問題から現在は相国寺が保管しています。若冲44歳、画家になって4年目の作品ですが、素晴らしい水墨画です。大典禅師が若冲の才能を見抜いて後水尾天皇ゆかりの玉座を含む5間の障壁画を描かせたのでした。